【イベントレポート】AWS AI Day:生成AIの最前線に迫る最新事例と実践ハンズオン(2)AWS活用企業100以上の生成AI事例に見るビジネスインパクト創出の方程式

2024年9月9日開催の「AWS AI Day」レポート第2弾!今回は、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 金融事業開発本部長の飯田 哲夫 氏による講演「100 以上の生成 AI 事例に見る ビジネスインパクト創出の方程式」をピックアップします。
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【イベントレポート】AWS AI Day:生成AIの最前線に迫る最新事例と実践ハンズオン(1)新人こそがAI開発のエース!?リクルートの最新事例 #awsAIday

生成AI導入企業の課題に切り込む!

生成AIへの関心が高まる一方で、「具体的な活用方法がイメージできない」「社員の利用率が低い」という悩みを持つ企業も多いのではないでしょうか?

飯田氏の講演では、AWSが支援する国内100社以上の生成AI導入事例を分析。そこから見えてきた、ビジネスインパクトを創出する「成功の方程式」 が示されました。

100以上の事例を6つの分野に分類!

飯田氏は、生成AIのユースケースを「一般的なユースケース」と「業界特化の課題にフォーカスしたユースケース」の2つに大きく分類。さらに、ハイインパクトなユースケースとして、以下の6つの類型に分類しました。

  • データの抽出
  • 商材作成の支援
  • サポート業務の支援
  • パーソナライゼーション
  • 営業活動の支援
  • 審査業務の効率化

公式「AWS AI Day Tokyo」はこちら!

生成AIの最前線を探る: 最新事例と実践的ハンズオン
https://aws-ai-day-jp.splashthat.com/
2024 年 09 月 09 日 14:00 – 18:00 JST

今回は、イベント内の講演セッション中盤の刺激的な企業での事例紹介と分類から見えてきた価値ある視点をレポートします。

100 以上の生成 AI 事例に見る ビジネスインパクト創出の方程式

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 金融事業開発本部長

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飯田哲夫 氏による講演は「100 以上の生成 AI 事例に見る ビジネスインパクト創出の方程式」というタイトルでした。

生成 AI に関心がある企業が増える一方、具体的な活用方法がイメージできない企業は 6 割、さらに導入したものの社員の利用率が 1~2 割に留まる調査結果が報告されています。この結果は、生成 AI の敷居の低さに比べて価値創出の難易度が決して低くないことを示しています。本セッションでは、AWS の 100 社超える国内の生成 AI 本番導入事例と Amazon を含む海外の事例から、効果の高いユースケースと、事例化した企業に共通するビジネスインパクト創出の方程式を解き明かします。

えっ、25分の講演で「100 以上の生成 AI 事例」なんてどうやって紹介するんだろう!?しかも「具体的な活用方法がイメージできない企業は 6 割、さらに導入したものの社員の利用率が 1~2 割に留まる調査結果が報告」という状況は報道等でも言われている雰囲気ではありますが、どんなAWSマジックがあるのでしょうか、聞く前からワクワクです。

飯田氏「数十万の日本のAWSのお客さんの中で100事例は少なすぎるぐらい」

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飯田氏の講演では、まずユースケースを2つに分けました。
・業界特化のユースケース
・一般的なユースケース

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さらに様々な産業で共通する「一般的なユースケース」において
・顧客体験をさらに高める
・従業員の生産性と創造性を加速する
・ビジネスプロセスの最適化
といった軸で具体的な整理が進められました。

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さらに「業界特化の課題にフォーカスしたユースケース」において
・ヘルスケア/ライフサイエンス
・製造業
・金融サービス
・流通/小売
・メディア&エンタメ
といった各業界において具体的な事例を列挙していきます。

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ハイインパクトなユースケースの類型

そして「ハイインパクトなユースケースの類型」
・データの抽出
・商材作成の支援
・サポート業務の支援
・パーソナライゼーション
・営業活動の支援
・審査業務の効率化
という分類が示されました。

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さてここからは具体的な事例です。

1社あたり3行程度の事例ですが、具体的な数字を入れつつすごい勢いでインパクトのある事例が紹介されていきます。

・データの抽出

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第一興商:入社1ヶ月の新人が3週間で9割は採用基準を満たす会話記録

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AWS未経験で入社1ヶ月の新人が3週間でAmazon TranscribeとAmazon Bedrockを利用して検証。約9割は基準を満たす良好な結果。

・商材作成の支援

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パルシステム:マーケティングのための商材作成
FFB: ユーザーが撮影した写真をSNSへ投稿する際、ハッシュタグの作成キャプションとタグの生成に15分以上要していた。生成AIの適用により作業効率50%以上削減。

北海道文化放送:FAXで届くリリース情報からニュース原稿の作成フローにAI活用

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・サポート業務の支援

日本製鋼所: 営業応対に活用。開発期間2ヶ月

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セゾンテクノロジー: HULFT製品のテクニカルサポートエンジニアが回答作成時間を最低30%短縮

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・パーソナライゼーション

パーソナライゼーションではNatWestの事例

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・営業活動の支援

営業活動の支援ではエフピコさんの事例で日報作成を紹介。

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・審査業務の効率化

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審査業務の効率化では野村ホールディングスの事例と、FleGrowthでの監査対応トレーニング事例が紹介されました。 ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証のために参照する社内規定、マニュアルは100以上。
一人のエンジニアが3ヶ月でデモを構築、3ヶ月のブラッシュアップでリリース。

100以上の事例に見る共通点

これまで6分野に分類して一気にインパクトのあるユースケースを紹介いただきましたが、実はこれらの事例には「共通点」があるそうなのです。

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・顧客起点文化: 顧客体験はもちろん社内の営業やカスタマーサポートの人たちの作業評価サイクルがあること。
・小規模なチーム: 2-4名もしくは1名
・頻繁な実験: 1-3ヶ月で本番稼働

これらはリクルートの新卒エンジニアチームによる事例もエビデンスと言えると感じました。

まず始める
そして加速する

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成功事例には、顧客起点の文化、小規模なチーム、頻繁な実験という共通点があることがエビデンスとともに示されました。 汎用性の高いものから、各企業の独自性、業界特有のものへと発展していきます。 飯田氏の講演は「まずはハイインパクトなユースケースから取組み、実験・傾聴・反復のサイクルを加速させましょう」というメッセージでまとめられました。

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成功企業に共通する「3つのポイント」とは?

100以上の事例を分析した結果、成功企業には以下の3つの共通点があることが明らかになりました。

  1. 顧客起点文化: 顧客体験はもちろんのこと、社内の営業やカスタマーサポートにおける評価サイクルが確立されている。
  2. 小規模なチーム: 2〜4名、もしくは1名体制でプロジェクトを推進。
  3. 頻繁な実験: 1〜3ヶ月という短期間で本番稼働までこぎつけ、PDCAサイクルを高速で回している。

これらのポイントは、リクルートの新卒エンジニアチームによる事例からも裏付けられています。

まずは小さく始めて、高速PDCAで成果を最大化!

飯田氏は最後に、「まずはハイインパクトなユースケースから取り組み、実験・傾聴・反復のサイクルを加速させましょう」と締めくくりました

聴講した感想

圧倒的な事例数と説得力のあるメッセージが印象的な講演でした。

近い講演が資料が8月に公開されていますが、飯田氏の講演ではさらに事例の追加と整理が進んでいるという印象でした。

https://speakerdeck.com/player/4e1225d6d4664ad3818cce81a60a4114

世間一般で言われているような「企業でのAI活用が進まない」というステレオタイプとは裏腹に、かなりのスピード感で一般化しており、また「インパクトのある成果の影にAWSあり」という印象を持つことができました。

圧倒的な事例数によるすごくいい講演だと思いました。
前後の講演の構成もフワッとした話が具体的になり、さらに「自分でやりたい」という気持ちが起きる良い構成でした。
良い講演をありがとうございました。

【レポートはまだまだ続きます!】

次回は、KDDIアジャイル開発センター株式会社のテックエバンジェリスト、御田 稔(みのるん)氏による講演「突撃!隣のAmazon Bedrockユーザー ~YouはどうしてAWSで?~」をレポートします! お楽しみに!

こちらのレポートと、気になるワークショップについてのレポートを予定しております。

Originally published at https://note.com on Sept 10, 2024.