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  • Stability AI、Amazonとの連携を拡大 – Stable Diffusion 3.5 LargeがAmazon SageMaker JumpStartで利用可能に

    Stability AI、Amazonとの連携を拡大 – Stable Diffusion 3.5 LargeがAmazon SageMaker JumpStartで利用可能に

    主なポイント:

    • Stability AIは、Amazon Web Services (AWS) との連携を拡大し、最先端のテキスト画像生成モデルであるStable Diffusion 3.5 LargeをAmazon SageMaker JumpStartで提供開始しました。
    • 世界中のスタートアップ企業や大企業は、この最先端技術にアクセスし、プロフェッショナルグレードの画像を大規模に作成できます。
    • 80億のパラメータを持つStable Diffusion 3.5 Largeは、3D、写真、線画、絵画などのスタイルで高品質な1メガピクセルの画像を生成することに優れており、プロンプトの精度と画質の両方でより大きなモデルよりも優れたパフォーマンスを発揮します。
    • Stable Diffusion 3.5 Largeの使用を開始するには、Amazon SageMaker JumpStartをご覧ください。

    Stability AIは、最先端のテキスト画像生成モデルであるStable Diffusion 3.5 LargeがAmazon SageMaker JumpStartで利用可能になったことをお知らせしています。これは、2023年7月にStable Diffusion XL (SDXL 1.0) がリリースされて以来、SageMaker JumpStartで初めて登場する新しいStable Diffusionモデルとなります。

    今回のAWSとの連携拡大により、スタートアップ企業と大企業の両方に最新の生成AIツールが提供されることになります。これにより、SageMaker JumpStartの仮想プライベートクラウド (VPC) 内にStable Diffusion 3.5 Largeを安全にデプロイし、データ保護とプライバシーを確保できます。

    Stability AIの最先端技術とAWSのリーチを組み合わせることで、世界中の企業が、このテクノロジーを使用してプロフェッショナルグレードの画像を大規模に作成できるようになります。

    モデルの優位性

    Stable Diffusion 3.5 Large は、プロンプトへの忠実度と画質において最高レベルのパフォーマンスを維持しながら、以下の分野で優れています。

    • 効率的なパフォーマンス: 幅広いユーザーがアクセスしやすく、使いやすくなるように、効率性のために最適化されています。
    • 多様な出力: 広範なプロンプトを必要とせずに、1種類の人々だけでなく、さまざまな肌の色や特徴を持つ、世界を代表する画像を作成します。
    • 多様なスタイル: 3D、写真、絵画、線画など、想像できるほぼすべてのビジュアルスタイルを生成できます。

    アイデア出しから制作まで、このモデルは、ビジュアルメディア制作パイプライン全体で貴重なクリエイティブパートナーとして機能し、メディア、ゲーム、広告などの業界をサポートします。

    使用開始するには

    Stable Diffusion 3.5 Largeモデルは、本日(2024年11月15日)よりAmazon SageMaker JumpStartで利用可能です。使用方法とSageMaker Studioの設定方法の詳細については、Amazon SageMaker Studioのドキュメントを参照してください。

    https://docs.aws.amazon.com/sagemaker/latest/dg/studio.html

    https://aws.amazon.com/jp/pm/sagemaker

    安全性へのコミットメント

    Stability AIは、安全で責任あるAIの実践を信条としており、開発の初期段階から整合性を確保するための対策を講じています。これは、悪意のある人物によるStable Diffusion 3.5の悪用を防ぐために、合理的な措置を講じており、今後も講じていくことを意味します。安全性への取り組みの詳細については、Stable Safetyページをご覧ください。

    https://stability.ai/safety

    Originally published at https://note.com on Nov 15, 2024.

  • [ComfyMaster31] AWS上にComfyUI環境を構築しよう!(準備編)

    こんにちわ!AICU media編集部です。
    AWS 生成 AI 実用化推進プログラム」に採択されました!

    クリエイティブAIで「つくるひとをつくる」をビジョンに、「わかるAIを届ける」をコンセプトに活動しているAICU mediaは、高い技術力と、わかりやすい記事を通して今後もより一層力を入れて、AWS(Amazon Web Services)の企業での社内開発やプロフェッショナル向けの使いこなし事例を当事者目線でお届けしていきます。


    あらためまして、こんにちわ、AICU media編集部です。
    ComfyUI マスターガイド」第30回目になります。
    本記事では、AWS上にComfyUI環境を構築するテクニックを詳細に解説します。お値打ち記事ですが、ちょっと長いので3編に分けて、お送りします!

    本シリーズの初回はこちら。前回はこちら目次はこちらです。

    AWS編第2回はこちら、「コスト効果大なComfyUIのAWSデプロイ(Cost Effective AWS Deployment of ComfyUI)」を準備していきます。

    「Cost Effective AWS Deployment of ComfyUI」

    つまり「お財布に痛くない、AWSでのComfyUI運用」というオープンソース(MITライセンス)のプロジェクトです。AWS公式サンプルとして公開されています。

    https://github.com/aws-samples/cost-effective-aws-deployment-of-comfyui/blob/main/README_ja.md

    このサンプルリポジトリは、強力な AI画像生成ツールである ComfyUI を AWS 上にシームレスかつコスト効率の高い方法でデプロイ(インストールして利用)するソリューションを提供しています。このリポジトリは、AWSの主要サービスであるECS(Amazon Elastic Container Service)や、EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)、その他の AWS サービスを活用した構成の設定を無償提供しています。しかも日本語の解説付きです。

    このリポジトリの説明にもあるように、このソリューションの利用については AWS の費用が発生します。また設定次第では高額な費用になる可能性もあります。費用に関する詳細情報は、コスト セクションに記載されていますが、本記事では、まずAICU編集部での実用的な実験データで計測して共有していきたいと思います。

    AICUコラボクリエイター・Yasさんによる動画での解説冒頭はこちら

    動画での学びを求める方にはこちらがオススメです!

    https://j.aicu.ai/Coloso3

    それでは準備作業からはじめましょう

    (1) AWSのアカウントを作成
    (2) クォータの引き上げ申請
    (3) インストール環境をCode Editorで構築
    (4) デプロイオプションの変更
    (5) ComfyUI のデプロイ
    (6) 利用開始!

    (1)AWSアカウントの作成

    AWSを使用するためには、AWSのアカウントが必要になります。AWS公式が公開している以下の記事を参考にアカウントを作成しておいてください。

    https://aws.amazon.com/jp/register-flow

    IAMによる開発者アカウントの作成

    最初に作られるアカウントを「ルートユーザー」といいます。
    このユーザーは、アカウントの新規作成や削除、支払いなど全ての根幹的権限を持っていますので、操作するのはできるだけ短期間で終わらせたいところです。またパスワード等の流出によるリスクが大きすぎます。
    そこで、開発に頻繁に使うアカウントは分けておきたいと思います。

    AWSではこのユーザー作成及び管理を「AWS Identity and Access Management」つまり、「IAM」と呼ぶサービスで管理します。

    一番上の検索窓に「IAM」と打って、出てきたIAMの「主要な機能」から「ユーザー」を選びましょう。

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    左側の「アクセス管理」→「ユーザー」でも構いません。

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    ユーザ作成ボタンを押してください。
    この先、何か間違った?というときも「削除」を押せば元通りです。

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    次はユーザー作成です。

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    ユーザーの詳細を指定

    ・ユーザ名: 「ComfyUI-server」とします
    ・[チェックON] AWS マネジメントコンソールへのユーザーアクセスを提供する
    ・ユーザーにコンソールアクセスを提供していますか?
    →ユーザータイプ「IAMユーザーを作成」 でユーザーを指定する

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    「次へ」を押すと「許可の設定」に移動します。

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    ユーザーグループを設定します

    ここでは「ComfyUI-users」というAdministratorAccess権限のみを持ったユーザーグループを作成します。

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    続いて、「ポリシーを直接アタッチする」を使って以下のポリシーをアタッチしてください。

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    • ServiceQuotasFullAccess
    • AWSCloudFormationFullAccess
    • AmazonEC2FullAccess
    • IAMFullAccess
    • AWSCloudTrail_FullAccess
    • AmazonSageMakerFullAccess
    • AWSLambda_FullAccess
    • AWSAppSyncPushToCloudWatchLogs

    ※ここでは詳細な権限設定を考えるべきですが、設定の簡易のために、いったん「AdministratorAccess」と続く設定で必要となる権限のFullAccessのみを設定してすすめます。

    次のステップ「パスワードの取得」で、ユーザーのAWS マネジメントコンソールにサインインするための手順とパスワードを取得できます。

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    「コンソールパスワード」の表示をして、ブラウザの別ユーザのウインドウでコンソールサインインURLにアクセスします。このURLの冒頭の12桁の数字がアカウントIDです。

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    あらかじめ設定されたパスワードでの初回ログインが終わると、パスワード変更を求められます。ここでのパスワード設定は、英数大文字、数字、記号など、高い難度でお願いします。

    MFA(多要素認証)デバイスの設定もしておくことをおすすめします。

    作成したアカウントでAWSダッシュボードに入れるようになったら次のステップです。
    ここまでの作業を単純化したい場合は、次のステップでは、ルートユーザーでログインします(非推奨)。

    (2)スポットインスタンスの上限解放

    今回使うこのリポジトリでは、GPUのスポットインスタンス「All G and VT Spot Instance Requests」を使用しますが、このスポットインスタンスの上限のデフォルトは0であり、このままでは使用できません。さらに、この上限は自由に設定できるものではなく、AWSのサポートで変更してもらう必要があります。そのため、ここではスポットインスタンスの上限解放のリクエストを送る方法を説明します。

    まず、AWSに作成したユーザー(もしくはルートユーザー)でログインし、トップページに当たる「コンソールのホーム」画面を表示します。
    https://console.aws.amazon.com/console/home

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    次にリージョン(地域)を選択します。
    右上のプルダウンで選ぶことができます。

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    ここでは「us-west2」(オレゴン)を選んでおきましょう。
    新しい機械学習サービスなどが入りやすく、利用しやすい価格になっている事が多いためです。もちろん東京リージョンのほうが良い、など都合に合わせていただいて構いません。

    次に左上の検索ボックスに「service quotas」と入力し、表示されたサービス一覧から「Service Quotas」を選択します。

    こちらのURLでもアクセスできます。

    https://us-west-2.console.aws.amazon.com/servicequotas/home/services

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    Service Quotasの画面が開くので、左サイドメニューから「AWSのサービス」を選択します。

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    AWSのサービス一覧画面が表示されるので、上部の検索バーに「ec2」と入力し、下部のサービス一覧から「Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)」を選択します。

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    もしこのタイミングで以下のような画面になる場合は、必要な権限「ServiceQuotasFullAccess」が足りません(一つ前のステップを確認してきてください)。

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    EC2のスポットインスタンス一覧が表示されるので、一覧から「All G and VT Spot Instance Requests」にチェックを入れ、右上の「アカウントレベルでの引き上げをリクエスト」をクリックします。

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    表示されたダイアログボックスの左中央にある「クォータ値を引き上げる」の入力欄に「4」と入力し、下部の「リクエスト」ボタンをクリックします。

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    ※ここでクォータ値が「4」以上になっている場合は、すでに同一アカウントでクォータの引き上げが実施されています。申請する必要はありません。

    「リクエスト」すると画面上部に「Submitting Quota increase request for All G and VT Spot Instance Requests with requested Value of 4.」と表示され、リクエストの送信が行われます。

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    しばらくすると、AWSサポートより以下のような文面のメールが送信されてきます。おそらく人力で確認が実施されているようです。

    ご担当者様

    以下内容にて上限緩和申請を受領いたしました。

    [US West (Oregon)]: EC2 Spot Instances / All G and VT Spot Instance Requests, 新しい上限数 = 8

    現在、担当部署にて当上限緩和の申請内容について確認しております。
    進歩があり次第ご連絡いたしますので、今しばらくお待ちいただきますようお願いいたします。
    ※確認作業のためお時間をいただく場合がございます、予めご了承くださいませ

    Amazon Web Services

    さらにしばらくすると、上限緩和リクエストが受理された内容のメールが届きます。これで上限緩和が完了になります。

    ご担当者様

    以下内容にて、ご依頼いただきました上限緩和リクエストの設定が完了いたしました。
    反映されるまでに30分ほどかかる場合がございますことご了承くださいませ。

    [US West (Oregon)]: EC2 Spot Instances / All G and VT Spot Instance Requests, 新しい上限数 = 8

    何卒よろしくお願いいたします。
    Amazon Web Services

    (3) インストール環境をCode Editorで構築

    クォータの申請が終わったらしばらく時間がありますので、ここで一休みしても良いのですが、せっかくなのでもうちょっとだけ進めていきましょう。

    続いてのステップはインストール環境の構築です。
    cost-effective-aws-deployment-of-comfyuiの環境構築方法には、ローカル環境で行う方法と、SageMakerで行う方法があります。ローカル環境を使ったインストールは、ユーザー個々の環境でブレが大きく「おま環」(=「お前の環境だけで起こっている」)になりがちです。
    そのため最近の多くのAWSセットアップ手順では、SageMaker Studioでセットアップを行う手順が推奨されています。
    せっかくなので今回も、SageMaker Studioを体験しつつ、SageMaker Studio上で環境構築していきましょう!

    SageMaker Studioの起動

    SageMakerには、テンプレートが用意されています。このテンプレートを利用することで、最初からdockerやコードエディターなどの環境がインストールされた状態でSageMaker Studioを立ち上げられます。以下のリンクよりテンプレート用のリポジトリにアクセスしてください。

    https://github.com/aws-samples/sagemaker-studio-code-editor-template

    リポジトリにアクセスし、下の方にスクロールすると、「Deploymet (1-click)」という項目があることが確認できます。ここから好きなリージョンの「Launch Stack」ボタンを押下することで、そのリージョンでSageMaker Studioを起動できます。今回は、us-west-2を起動します。

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    AWSにログイン済みの場合、以下のような画面が表示されます。

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    AWSダッシュボードにログインできるにも関わらず、以下のような画面が表示された場合は、CloudFormationに関する必要な権限が足りません。一つ前のステップを確認するか、ルートユーザーで「AWSCloudFormationFullAccess」の権限追加を行ってください。

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    さて、正しく権限がある場合は、ここで以下のパラメータ設定を行えます。

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    • AutoStopIdleTimeInMinutes: SageMaker Code Editorが自動で停止するまでの時間を設定します。デフォルトは120分で、起動してから120分後にCode Editorが停止します。今回は、120分あれば十分なので、120分に設定します。
    • EbsSizeInGb: Code Editorで使用する容量を設定します。今回、Code EditorはIDEとしてデプロイを行うためだけに使用するため、デフォルトの容量「20GB」で問題ありません。
    • InstanceType: Code Editorを起動するインスタンスを設定します。デフォルト設定は「ml.t3.medium」で、選択できるインスタンスの中で最も性能が低いものになりますが、インストールのみに使用するので、これで問題ありません。
    • UseDefaultVpc: 各リージョンにデフォルトで用意されているVPCを利用するかどうかを決定します。デフォルト設定は「true」で、デフォルトのVPCを利用する設定になっています。デフォルトのVPCを使用したくない理由がなければ、デフォルト設定のままで問題ありません。

    上記の設定後に、下部の「AWS CloudFormation によって IAM リソースがカスタム名で作成される場合があることを承認します。」にチェックを入れ、「スタックの作成」ボタンをクリックします。

    そうすると、CloudFormationが実行され、SageMaker Studioの環境構築が行われます。

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    しばらくすると、ステータスが「CREATE_IN_PROGRESS」から「CREATE_COMPLETE」に変わり、SageMaker Studioの環境構築が完了します。

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    もしROLLBACK_FAILDEDというエラーになった場合は、「SageMakerStudio」に関する必要な権限が足りません。

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    この場合はいったんこのCodeEditorStackを「削除」して、ルートユーザー必要な権限を追加してきてください。

    https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/IAM/latest/UserGuide/troubleshoot_roles.html

    理解のために CodeEditorStack.template.yaml を使ってChatGPT等に訊いてみるのもよいでしょう。

    このCloudFormationのデプロイに必要なARNを教えて

    1. EC2関連の権限必要な権限:
    ec2:CreateVpc, ec2:DescribeVpcs, ec2:CreateSubnet, ec2:DescribeSubnets
    ec2:CreateInternetGateway, ec2:AttachInternetGateway
    ec2:CreateRouteTable, ec2:CreateRoute, ec2:AssociateRouteTable
    理由: VPCやサブネット、ルートテーブルを作成し、インターネットゲートウェイをアタッチするために必要です。
    2. IAM関連の権限必要な権限:
    iam:CreateRole, iam:AttachRolePolicy, iam:PutRolePolicy, iam:PassRole
    理由: LambdaやSageMaker Studioの実行用ロール作成とポリシーのアタッチ、およびPassRole権限を必要とする可能性があります。
    3. SageMaker関連の権限必要な権限:
    sagemaker:CreateDomain, sagemaker:CreateUserProfile, sagemaker:CreateApp, sagemaker:DescribeDomain, sagemaker:DeleteDomain
    理由: SageMaker Studioのセットアップに必要な権限です。ドメイン、ユーザープロファイル、アプリの作成・削除を行うために必要です。
    4. CloudWatch Logs関連の権限必要な権限:
    logs:CreateLogGroup, logs:CreateLogStream, logs:PutLogEvents
    理由: Lambda関数の実行時にCloudWatch Logsへ出力するために必要です。
    5. Lambda関連の権限必要な権限:
    lambda:CreateFunction, lambda:InvokeFunction, lambda:DeleteFunction
    理由: CloudFormationスタックでLambda関数を作成・実行・削除するために必要です。
    6. CloudFormation関連の権限追加の権限として AWSCloudFormationFullAccess が必要ですが、他にも以下のような権限を確認してください:
    cloudformation:DescribeStacks, cloudformation:ListStackResources
    これらはスタックの管理に必要です。

    7. Service Quotas関連の権限すでにServiceQuotasFullAccessが提案されていますが、サービスクォータの確認と調整が必要な場合はこれを付与します。

    • AmazonEC2FullAccess
    • IAMFullAccess
    • AWSCloudTrail_FullAccess
    • AmazonSageMakerFullAccess
    • AWSLambda_FullAccess
    • AWSAppSyncPushToCloudWatchLogs

    以上のような権限があれば設定できるはずです。
    ※どうしてもうまく行かない場合はルートユーザーで実験しましょう。

    さて、デプロイに成功している場合、ここで「出力」タブを選択すると、「SageMakerStudioUrl」が出力されていることが確認できます。この値にあるURLを選択します。

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    そうすると、SageMakerの画面が開きます。

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    「Skip Tour for now」して、左上に5-6個のアイコンが並んでいるところから、「Code Editor」を選択します。

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    Code Editorの起動画面に遷移します。既に起動中のCode Editorがあるので、このCode Editorの「Open」をクリックします。

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    SageMaker Code Editorの画面が開きます。これでSageMakerの準備ができました。

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    Microsoft の Visual Studio Code (vscode) そっくりですが、そもそも vscode もオープンソースです。こちらは「SageMaker Code Editor」というプロジェクトのようです。

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    (4) デプロイオプションの変更

    今回はまずデプロイオプションの変更は行わずに、デフォルト状態でのデプロイを実験していきます。

    今回の手順では企業等での利用を想定して、ユーザーIDとパスワードによるログインを必須としています。この状態で問題なければ次のステップに進んでいただいて構いません。

    以下はセルフサインアップや自動シャットダウンなどの設定を行うデプロイオプションの変更点です。デプロイオプションは、主にcdk.jsonの内容を編集することで設定可能です。

    セルフサインアップの有効化

    Cognitoのセルフサインアップは、ログイン画面で新規アカウントをアクセスしたユーザーが作成することを可能とします。セルフサインアップの有効化は、cdk.jsonのコンテキストでselfSignUpEnabledをtrueに設定します。デフォルトはfalseですので「今回の手順でいますぐ使いたい!」という方はtrueにしておきましょう。

    {
      "context": {
        "selfSignUpEnabled": true
      }
    }

    MFAの有効化

    ユーザーの多段階認証 (MFA) を有効化します。MFAの有効化は、cdk.jsonのコンテキストでmfaRequiredをtrueに設定します(デフォルトはfalseです)。

    {
      "context": {
        "mfaRequired": true
      }
    }

    サインアップ可能なメールアドレスのドメインを制限

    allowedSignUpEmailDomainsコンテキストで、許可するドメインのリストを指定できます(デフォルトはnull)。文字列リストとして値を指定し、”@”シンボルは含めません。メールアドレスのドメインが許可ドメインのいずれかに一致する場合、ユーザーはサインアップ可能です。nullを指定すると制限なしで全ドメインが許可され、[]を指定すると全ドメインが禁止され、どのメールアドレスもサインアップできません。

    設定されると、許可されていないドメインからのユーザーは「アカウント作成」でエラーが表示され、サインアップが阻止されます。この設定は既存のCognitoユーザーには影響しません。新規サインアップやユーザー作成のみに適用されます。

    例:amazon.comドメインのメールアドレスでのみサインアップを許可する場合

    {
      "context": {
        "allowedSignUpEmailDomains": ["amazon.com"] 
      }
    }

    IPアドレス制限

    IPアドレスでWebアプリケーションへのアクセスを制限するために、AWS WAFを使用してIP制限を有効にできます。cdk.json内のallowedIpV4AddressRangesに許可するIPv4 CIDR範囲の配列、allowedIpV6AddressRangesに許可するIPv6 CIDR範囲の配列を指定します。

    { 
     "context": {
        "allowedIpV4AddressRanges": ["192.168.0.0/24"],
        "allowedIpV6AddressRanges": ["2001:0db8::/32"]
      }
    }

    SAML認証

    Google WorkspaceやMicrosoft Entra ID(旧称Azure Active Directory)などのIdPによって提供されるSAML認証機能と統合することができます。

    samlAuthEnabled: trueに設定すると、SAMLのみの認証画面に切り替わります。Cognitoユーザープールを使用した従来の認証機能は利用できなくなります。

      "samlAuthEnabled": true

    スポットインスタンス

    重要でないワークロードでコストを削減するためにスポットインスタンスを使用できます(デフォルトはtrue)。コンテキストでuseSpotをfalseに設定して無効にすることも可能です。また、spotPriceを変更してスポット価格を指定できます。スポット価格がspotPrice以下である場合のみインスタンスが利用可能です。

    {
      "context": {
        "useSpot": true,
        "spotPrice": "0.752"
      }
    }

    自動またはスケジュールでのスケールダウン

    コストをさらに削減するために、インスタンスをゼロにスケールダウンできます。

    例:活動が1時間ない場合に自動でスケールダウンするには、autoScaleDownをtrueに設定します。

    {
      "context": {
        "autoScaleDown": true
      }
    }

    これで自動でスケールダウンしてくれるようになります。

    • スケジュール(例: 勤務時間)でスケールダウン/アップするには、scheduleAutoScalingをtrueに設定します。timezone、scheduleScaleUp、scheduleScaleDownでスケールアップ/ダウンのスケジュールを指定できます。
    {
      "context": {
        "scheduleAutoScaling": true,
        "timezone": "Asia/Tokyo",
        "scheduleScaleUp": "0 9 * * 1-5",
        "scheduleScaleDown": "0 18 * * *"
      }
    }

    NATインスタンスの使用

    NATインスタンスは、NATゲートウェイと比較して安価ですが、利用可能性とネットワークスループットが制限されています。詳細はNATゲートウェイとNATインスタンスの比較を参照してください。

    デフォルトでNATインスタンスが使用されます。cheapVpcをfalseに設定すると、NATゲートウェイに変更できます。

    {
      "context": {
        "cheapVpc": false
      }
    }

    カスタムドメインの使用

    カスタムドメインをサイトのURLとして使用できます。Route53のパブリックホストゾーンがすでに同じAWSアカウントで作成されている必要があります。パブリックホストゾーンの詳細については以下を参照してください:Working with Public Hosted Zones – Amazon Route 53

    同じAWSアカウントにパブリックホストゾーンがない場合は、手動でのDNSレコードの追加やAWS ACMでのSSL証明書の検証中にメール認証を利用することも可能です。これらの方法を使用する場合、CDKドキュメントを参照し、適宜カスタマイズしてください:aws-cdk-lib.aws_certificatemanager module · AWS CDK

    cdk.jsonで以下の値を設定します。

    • hostName … サイトのホスト名。AレコードはCDKによって作成され、事前作成は不要
    • domainName … 事前に作成されたパブリックホストゾーンのドメイン名
    • hostedZoneId … 事前に作成されたパブリックホストゾーンのID
    {
      "context": {
        "hostName": "comfyui",
        "domainName": "example.com",
        "hostedZoneId": "XXXXXXXXXXXXXXXXXXXX"
      }
    }

    以上が主要な設定です。
    いまのタイミングでは見直す必要はありませんが、後ほど使用環境にあわせて変更してみてください。

    (5) ComfyUI のデプロイ

    ComfyUIのデプロイの実行

    それでは、SageMaker Code Editorを使ってComfyUIのデプロイを実行します。Code Editorの左上にある3本線のアイコンをクリックし、Terminal->New Terminalの順に選択します。


    この記事の続きはこちらから https://note.com/aicu/n/ne119480439e8

    Originally published at https://note.com on Nov 6, 2024.

  • 【イベントレポート】AWS AI Day:生成AIの最前線に迫る最新事例と実践ハンズオン(2)AWS活用企業100以上の生成AI事例に見るビジネスインパクト創出の方程式

    2024年9月9日開催の「AWS AI Day」レポート第2弾!今回は、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 金融事業開発本部長の飯田 哲夫 氏による講演「100 以上の生成 AI 事例に見る ビジネスインパクト創出の方程式」をピックアップします。
    「つくる人をつくる」AICU mediaでは総力を上げてレポートしております。

    ▶前回の記事はこちら
    【イベントレポート】AWS AI Day:生成AIの最前線に迫る最新事例と実践ハンズオン(1)新人こそがAI開発のエース!?リクルートの最新事例 #awsAIday

    生成AI導入企業の課題に切り込む!

    生成AIへの関心が高まる一方で、「具体的な活用方法がイメージできない」「社員の利用率が低い」という悩みを持つ企業も多いのではないでしょうか?

    飯田氏の講演では、AWSが支援する国内100社以上の生成AI導入事例を分析。そこから見えてきた、ビジネスインパクトを創出する「成功の方程式」 が示されました。

    100以上の事例を6つの分野に分類!

    飯田氏は、生成AIのユースケースを「一般的なユースケース」と「業界特化の課題にフォーカスしたユースケース」の2つに大きく分類。さらに、ハイインパクトなユースケースとして、以下の6つの類型に分類しました。

    • データの抽出
    • 商材作成の支援
    • サポート業務の支援
    • パーソナライゼーション
    • 営業活動の支援
    • 審査業務の効率化

    公式「AWS AI Day Tokyo」はこちら!

    生成AIの最前線を探る: 最新事例と実践的ハンズオン
    https://aws-ai-day-jp.splashthat.com/
    2024 年 09 月 09 日 14:00 – 18:00 JST

    今回は、イベント内の講演セッション中盤の刺激的な企業での事例紹介と分類から見えてきた価値ある視点をレポートします。

    100 以上の生成 AI 事例に見る ビジネスインパクト創出の方程式

    アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 金融事業開発本部長

    画像

    飯田哲夫 氏による講演は「100 以上の生成 AI 事例に見る ビジネスインパクト創出の方程式」というタイトルでした。

    生成 AI に関心がある企業が増える一方、具体的な活用方法がイメージできない企業は 6 割、さらに導入したものの社員の利用率が 1~2 割に留まる調査結果が報告されています。この結果は、生成 AI の敷居の低さに比べて価値創出の難易度が決して低くないことを示しています。本セッションでは、AWS の 100 社超える国内の生成 AI 本番導入事例と Amazon を含む海外の事例から、効果の高いユースケースと、事例化した企業に共通するビジネスインパクト創出の方程式を解き明かします。

    えっ、25分の講演で「100 以上の生成 AI 事例」なんてどうやって紹介するんだろう!?しかも「具体的な活用方法がイメージできない企業は 6 割、さらに導入したものの社員の利用率が 1~2 割に留まる調査結果が報告」という状況は報道等でも言われている雰囲気ではありますが、どんなAWSマジックがあるのでしょうか、聞く前からワクワクです。

    飯田氏「数十万の日本のAWSのお客さんの中で100事例は少なすぎるぐらい」

    画像

    飯田氏の講演では、まずユースケースを2つに分けました。
    ・業界特化のユースケース
    ・一般的なユースケース

    画像

    さらに様々な産業で共通する「一般的なユースケース」において
    ・顧客体験をさらに高める
    ・従業員の生産性と創造性を加速する
    ・ビジネスプロセスの最適化
    といった軸で具体的な整理が進められました。

    画像

    さらに「業界特化の課題にフォーカスしたユースケース」において
    ・ヘルスケア/ライフサイエンス
    ・製造業
    ・金融サービス
    ・流通/小売
    ・メディア&エンタメ
    といった各業界において具体的な事例を列挙していきます。

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    ハイインパクトなユースケースの類型

    そして「ハイインパクトなユースケースの類型」
    ・データの抽出
    ・商材作成の支援
    ・サポート業務の支援
    ・パーソナライゼーション
    ・営業活動の支援
    ・審査業務の効率化
    という分類が示されました。

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    さてここからは具体的な事例です。

    1社あたり3行程度の事例ですが、具体的な数字を入れつつすごい勢いでインパクトのある事例が紹介されていきます。

    ・データの抽出

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    第一興商:入社1ヶ月の新人が3週間で9割は採用基準を満たす会話記録

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    AWS未経験で入社1ヶ月の新人が3週間でAmazon TranscribeとAmazon Bedrockを利用して検証。約9割は基準を満たす良好な結果。

    ・商材作成の支援

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    パルシステム:マーケティングのための商材作成
    FFB: ユーザーが撮影した写真をSNSへ投稿する際、ハッシュタグの作成キャプションとタグの生成に15分以上要していた。生成AIの適用により作業効率50%以上削減。

    北海道文化放送:FAXで届くリリース情報からニュース原稿の作成フローにAI活用

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    ・サポート業務の支援

    日本製鋼所: 営業応対に活用。開発期間2ヶ月

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    セゾンテクノロジー: HULFT製品のテクニカルサポートエンジニアが回答作成時間を最低30%短縮

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    ・パーソナライゼーション

    パーソナライゼーションではNatWestの事例

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    ・営業活動の支援

    営業活動の支援ではエフピコさんの事例で日報作成を紹介。

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    ・審査業務の効率化

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    審査業務の効率化では野村ホールディングスの事例と、FleGrowthでの監査対応トレーニング事例が紹介されました。 ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証のために参照する社内規定、マニュアルは100以上。
    一人のエンジニアが3ヶ月でデモを構築、3ヶ月のブラッシュアップでリリース。

    100以上の事例に見る共通点

    これまで6分野に分類して一気にインパクトのあるユースケースを紹介いただきましたが、実はこれらの事例には「共通点」があるそうなのです。

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    ・顧客起点文化: 顧客体験はもちろん社内の営業やカスタマーサポートの人たちの作業評価サイクルがあること。
    ・小規模なチーム: 2-4名もしくは1名
    ・頻繁な実験: 1-3ヶ月で本番稼働

    これらはリクルートの新卒エンジニアチームによる事例もエビデンスと言えると感じました。

    まず始める
    そして加速する

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    成功事例には、顧客起点の文化、小規模なチーム、頻繁な実験という共通点があることがエビデンスとともに示されました。 汎用性の高いものから、各企業の独自性、業界特有のものへと発展していきます。 飯田氏の講演は「まずはハイインパクトなユースケースから取組み、実験・傾聴・反復のサイクルを加速させましょう」というメッセージでまとめられました。

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    成功企業に共通する「3つのポイント」とは?

    100以上の事例を分析した結果、成功企業には以下の3つの共通点があることが明らかになりました。

    1. 顧客起点文化: 顧客体験はもちろんのこと、社内の営業やカスタマーサポートにおける評価サイクルが確立されている。
    2. 小規模なチーム: 2〜4名、もしくは1名体制でプロジェクトを推進。
    3. 頻繁な実験: 1〜3ヶ月という短期間で本番稼働までこぎつけ、PDCAサイクルを高速で回している。

    これらのポイントは、リクルートの新卒エンジニアチームによる事例からも裏付けられています。

    まずは小さく始めて、高速PDCAで成果を最大化!

    飯田氏は最後に、「まずはハイインパクトなユースケースから取り組み、実験・傾聴・反復のサイクルを加速させましょう」と締めくくりました

    聴講した感想

    圧倒的な事例数と説得力のあるメッセージが印象的な講演でした。

    近い講演が資料が8月に公開されていますが、飯田氏の講演ではさらに事例の追加と整理が進んでいるという印象でした。

    https://speakerdeck.com/player/4e1225d6d4664ad3818cce81a60a4114

    世間一般で言われているような「企業でのAI活用が進まない」というステレオタイプとは裏腹に、かなりのスピード感で一般化しており、また「インパクトのある成果の影にAWSあり」という印象を持つことができました。

    圧倒的な事例数によるすごくいい講演だと思いました。
    前後の講演の構成もフワッとした話が具体的になり、さらに「自分でやりたい」という気持ちが起きる良い構成でした。
    良い講演をありがとうございました。

    【レポートはまだまだ続きます!】

    次回は、KDDIアジャイル開発センター株式会社のテックエバンジェリスト、御田 稔(みのるん)氏による講演「突撃!隣のAmazon Bedrockユーザー ~YouはどうしてAWSで?~」をレポートします! お楽しみに!

    こちらのレポートと、気になるワークショップについてのレポートを予定しております。

    Originally published at https://note.com on Sept 10, 2024.