タグ: 音楽

  • 先端研究が挑む「AI時代の創作」

    2024年10月3日、国の先端科学技術研究を紹介する国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)のYouTubeチャンネル「SCIENCE CHANNEL」において「AI時代の創作の世界 人の感性を支援するデジタル技術」として動画ニュースが配信されました。

    https://scienceportal.jst.go.jp/gateway/videonews/m230001010

    ▼AI時代の創作の世界 人の感性を支援するデジタル技術|Science Portal動画ニュース(2024年10月3日配信) – YouTube

    お気に入りのアニメやマンガ、音楽などを自分でも創作してみたいと思ったことがある人は多いはず。技術やセンスが必要とされるそうした創作活動を、コンピュータで手助けするツールが登場しつつあります。

    という軽い切り口で始まる「すべての人々向け」の動画ニュースですが、紹介されている技術は、日本を代表するこの分野の先端研究者です。

    ■出演・協力機関
    謝浩然(北陸先端科学技術大学院大学 創造社会デザイン研究領域 准教授)
    宮田一乘(北陸先端科学技術大学院大学 創造社会デザイン研究領域 教授)
    森勢将雅(明治大学 総合数理学部 専任教授)

    「アニフェイス・ドローイング」


    紹介された「アニフェイス・ドローイング(AniFace Drawing)」は、手書きのスケッチを、プロが描いたようなアニメ絵に仕上げるようにガイドしてくれるシステムです。

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    線をひいていくと AIの予測に基づいて その線をコンピュータが整えてくれたり ガイドを表示してくれます。

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    アニメ調の似顔絵が完成していきます。

    北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)創造社会デザイン研究領域 謝浩然 准教授 @Jesusxie

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     謝先生「今回の研究は、ひとつの絵を描いて、その描くプロセスひとつひとつをシミュレーションすることができます。そうすると 人間がどんな絵を描いているかを予測することができます。それをもとにして、完全な絵を予測することができます。こういうところは面白いところです。」

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    このシステムは画像生成AIを下書き全体ではなく ユーザーの描いた一本一本の線に対して用います。線を「色」「形」「大きさ」などの特徴ごとに分解した上で、結果を出力する事を実現しました。こうすることで 一方的に結果を提示するのではなく、書き手が描きたかったような絵により近づけていくことができます。

    北陸先端科学技術大学院大学 創造社会デザイン研究領域 宮田一乘 教授 @kazmiyata

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    宮田先生「今の生成系AIですと『入れたらすぐに、一瞬で出てくる』ので結局は自分の能力が全然拡張されてないわけですよね。ですのでコンピュータを使って『あくまで支援』として使ってあげて、『自分の力』というか『潜在能力』を引き出すようなことになれば良いかなと思っています」

    論文:AniFaceDrawing: Anime Portrait Exploration during Your Sketching
    Zhengyu Huang*, Haoran Xie*, Tsukasa Fukusato**, Kazunori Miyata* (JAIST*, Waseda University**) ACM SIGGRAPH 2023

    https://www.jaist.ac.jp/~xie/AniFaceDrawing.html

    この技術は 今まで絵が苦手で諦めていた人が、漫画やアニメの創作に取り組むきっかけになるかもしれません。

    コンピュータは声によっても創作の世界を広げてきました。合成音声です。

    明治大学 総合数理学部 森勢将雅 専任教授 @m_morise

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    明治大学の森勢さんらもこの合成音声の技術を開発しています。
    人の声を分析し数理的な操作で三つの要素に 分解した上で再合成します。

    補足解説:森勢将雅先生は人工合成ボイス「No.7」の開発者さんでもあります。

    [YouTube] No.7と学ぶ信号処理

    ずんだもんとNo.7の楽しい雰囲気で、信号処理を中心とした大学数学を学べる番組を製作されております。

    さて、サイエンスチャンネルでのデモの様子、音声の高さや低さ、フラットにした合成の様子はこちら。

    なおサイエンスチャンネルの動画は「この技術はソースフィルターという数理モデルによるもので実はAIは使っていません 」という衝撃的な流れになっています。

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    森勢先生「いかにきれいに分離させるかというところで、数学的な要素を頑張って作り込むことによって性能を上げていったという流れになります。人間の喋っている声をどのように加工するかでして、AIは関係なく 数学的に信号処理の分野としてやってきました。加工の際に劣化していたので劣化させないように人工知能でうまくフォローする技術を作っていきたいと考えています」

    AIとの連携も模索しながら 森勢さんがめざしているのは『より魅力的な声を作り出す技術』。その関心は どのような声に人は惹きつけられ  魅せられるのかという問いに広がっていきます。

    森勢先生「心理学と音声情報処理の連携・融合研究とでもいうんでしょうか そういったものをやりたいと思っています。『人間と同じ声を作る』というだけでしたら、もう今の技術でできちゃっていまして。となると次は『どんな 豊かな声 を作るか』とか『キャラクター性』とか、一つのコンテンツとして人間の声のコピーはできたけれども『それをより魅力的に見せる』そういったものを『どう広げていくか?』というところが今後出てくるのではないかと思っています。その一つとして 声をデザインするということに 着眼して研究をしています」

    AIと人間の共存、新たな表現の可能性に取り組む研究者たち

    AIが発展していく中で、創作活動がAIに取って代わられるのではないかと不安視する声も耳にするようになりました。しかし、今回の国の科学技術を推進する研究開発機構の動画によって紹介された技術は、AIが時々言われるような「人の創造性を奪う」とか「仕事を奪う」ではなく、人間の創造性を支援し、新たな表現の可能性を広げていくことをこの動画は社会に伝えています。

    謝辞:原作JST サイエンスポータル&サイエンスティーム

    お知らせ:AICUは先端学術研究を応援します

    ここでお知らせです、謝先生や宮田先生が挑戦する世界最大のCG/インタラクティブ技術のトップカンファレンス「SIGGRAPH」のアジア開催「SIGGRAPH ASIA 2024」が、2024年12月3日~6日に東京国際フォーラムで開催されます。東京での開催は3年ぶりになります。

    https://asia.siggraph.org/2024/ja/

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    そしてAICUはオフィシャルプログラムスポンサーです。
    世界レベルのCG・インタラクティブ研究を共有する場を応援できることを誇りに思います。

    AICU media編集部もSIGGRAPH ASIA2024は全力で応援していきますが、プログラムスポンサーとしてAICU Inc.からの先行第1弾として、
    メンバーシップ会員向け「10%OFF登録コード」を配布いたします。

    SIGGRAPH ASIA 2024の当日フルアクセス(Full Access Supporter)は $1300、10月18日までの登録で、$950 – 10% ($95) = $855です。つまり当日登録価格から$445(約66,373円)割引です!他にも展示会と体験エリアのみの「Exhibit & Experience Access」は学生さんやビジネスの方にもオススメで、$20→$18となります。

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    【メンバーシップ向け情報】(全プラン)

    AICUから10% OFFのオファーコードがございます。

    https://registration.asia.siggraph.org/terms_jpn.html

    最後のお会計のタイミングで、「SA24AICU10」入力することで、10%OFFとなります。なにか不具合がございましたら X@AICUai までDMもしくはDiscordにてお問い合わせください。
    招待コード https://j.aicu.ai/JoinDiscord

    Originally published at https://note.com on Oct 13, 2024.

  • 【音楽知識ゼロでもOK!】Sunoでオリジナル曲を完成させよう!初心者向け【無料】

    こんにちは。AICUコラボクリエイターのぽんず(@ponzponz15)です。
    AI動画クリエイターとして活動しております。先日は大きな国際賞をいただきました。

    Runwayを使ってこんな動画も作れます。

    こんな作品を作る上で、音楽はとても重要です。

    「音楽作るのなんて素人には無理…」

    そう思っている方も多いかもしれません。
    今話題の「Suno AI」という最新のAIを使えば、難しい知識や音楽経験、課金も一切不要。誰でも簡単に思い描いた通りの高クオリティな音楽を作ることができます。
    この記事では、未経験の方でもわかるように画像を使いながらSunoの使い方を解説していきます。初めての方でも迷わないよう丁寧に説明していきますので、ぜひ最後まで読んでみて下さいね。

    Step 1. Sunoの世界へ飛び込もう!

    まずは、Sunoの公式サイトにアクセスしましょう。

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    初めてアクセスすると、画面中央に「Make a song about anything」と書かれた入力欄と、左下にSign inボタンが表示されますのでそちらをクリックしましょう。

    Step 2. アカウント登録

    楽曲制作を楽しむためには、アカウント登録が必要です。
    メールアドレスやGoogleアカウントなどを登録するだけで、簡単にアカウントを作成できます。

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    表示されたポップアップで、Apple、Google、Microsoftのアカウントで登録するか、電話番号を入力して登録するか選択します。

    Step 3. 楽曲制作画面へ

    アカウント登録が完了したら、いよいよ楽曲制作!
    画面左側のメニューから「Create」を選択します。

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    すると、楽曲制作画面が表示されます。まずは赤線部分に自分が作りたい音楽を入力してCreateボタンを押して生成してみましょう。これだけで音楽が完成します。

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    完成したのがこちらの歌です⬇️

    この部分の入力は日本語、英語どちらでも生成可能です。慣れたら他の曲を参考にいろんなスタイルに挑戦してみましょう。では次はオリジナルの歌詞を設定した作曲にチャレンジしましょう。

    Step 4. オリジナルソングをつくろう

    次に「Custom」と「Instrumental」という2つの選択肢があります。

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    • Custom:🟥
      このモードでは、任意の歌詞を設定して音楽を生成することができます。
      さらにStyleを設定することで思い通りの楽曲が完成します(jpop,jazz,classicなど)
    • Instrumental:🟦
      このモードを選択すると、歌のない、楽器のみの楽曲を制作できます。
      壮大なオーケストラ曲や、オシャレなカフェミュージックなど、あなたのイメージを膨らませてみましょう。ちなみにInstrumentalで作成したのが以下の曲です。

    Step 5. オリジナル歌詞で作曲しよう!

    いよいよ本番です。次はオリジナルの歌詞を使って楽曲を制作しましょう。
    今回はChatGPTの力を借りて『Sunoのうた』という歌詞を先に作っておきました。では作曲していきましょう。

    [Intro] 
    [Verse 1] sunoで歌を作ろう、AI音楽で みんな自由に音楽作ろう 経験も知識もコードもメロディも 知らなくてもできる(ほらかんたん!) 
    [Pre-Chorus] 心の中にあるメロディ sunoが形にしてくれる 想像力を解き放てば 世界が変わる(suno!!) 
    [Chorus] みんな天才音楽家! sunoと奏でるハーモニー 音符が踊り出す、魔法みたい 新しい時代が来た!(suno!!) 
    [Verse 2] スマホ一つでスタジオに どこでも作曲、時間も自由 プロ?アマチュア?関係ない みんなで音楽楽しもう!
     [Pre-Chorus] 心の中にあるメロディ sunoが形にしてくれる 想像力を解き放てば 世界が変わる
     [Chorus] みんな天才音楽家! sunoと奏でるハーモニー 音符が踊り出す、魔法みたい 新しい時代が来た!(suno!!)
     [Bridge] 言葉を超えて、国境を超えて 音楽が繋ぐ、みんなの心 sunoと共に、未来へ響かせよう 最高の音楽を! 
    [Chorus] みんな天才音楽家! sunoと奏でるハーモニー 音符が踊り出す、魔法みたい 新しい時代が来た! 
    [Outro]

    [Intro]とかカッコで括られた単語は、作曲用語です。Suno公式の歌構造タグとして定義されていますので、翻訳・解説しておきます。


    AI は独自の判断力を持ち、独自のパターンに従う傾向がありますが、メタタグを使用して曲の構造に影響を与えることができます。

    イントロ [Intro]

    これは信頼性が低いことで有名です。インストゥルメンタル ブレイク(instrumental break)のように表現した方が良いかもしれません。

    • [Short Instrumental Intro]

    フック[Hook]

    フックとは、繰り返されるフレーズまたはインストゥルメンタルのことです。ラベルの有無にかかわらず、短い行を 2 ~ 4 回繰り返してみましょう。

    • [Catchy Hook]

    ブレイク [Break]

    ブレイクとは、リード楽器や歌手が沈黙し、伴奏楽器が演奏される曲のいくつかの小節を指します。[Break] は、現在のパターンを中断するために戦略的に使用されることがあります。

    • [Break]
    • [Percussion Break]

    間奏 [Interlude]

    Interlude は、歌詞の中にインストゥルメンタル セクションを作成するのに便利なタグです。

    • [melodic interlude]

    アウトロ [Outro]

    アウトロは曲の終わりを演出するのに役立ち、編集後にフェードアウトするループを作成することもできます。

    Refrain は曲の最後を締めくくるときに、より「創造的」になるようですが、Big Finish はクライマックスを作り出すためにメロディーやテンポを変えることがあります。

    • [Outro]
    • [Refrain]
    • [Big Finish]

    終曲 [End]

    歌詞の終了タグは、単独のクリップとして最も効果的に機能する場合があります。スタイル プロンプトをクリアするか、スタイルの説明に「End」を追加してください。

    • [End]
    • [Fade Out]
    • [Fade to End]

    Step 6.いざ生成

    歌詞が固まったら、いよいよ音楽を生成します。画面上部の「Custom」ボタンをクリックすると以下の画面が表示されますので、Lyricsに歌詞を、Style of musicに楽曲のスタイルを入力しましょう。

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    Styleは候補を表示してくれていますのでそちらからも選択可

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    あとは曲のTitleを入力してCreateこれだけで作業は終わりです。あとはSunoが、あなたのイメージを元に、オリジナル曲を作り上げてくれます。生成には少し時間がかかりますが、ワクワクしながら待ちましょう!完成した曲がこちらです。

    いかがでしょうか。たった数分でこのクオリティの楽曲が完成しました。

    Step 7. 世界に一つだけの音楽を堪能!

    音楽が生成されると、再生画面が表示されます。

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    [赤] 再生ボタン
    [黄色] オプションボタン (スリードットボタン)

    再生ボタンをクリックして、実際に音楽を聴いてみましょう!
    あなたのイメージ通りの曲が完成しているはずです。

    Step 8. 楽曲をダウンロードして、自由に楽しもう!

    気に入った曲が完成したら、ダウンロードして、様々なシーンで活用しましょう!
    ダウンロード方法は簡単です。
    再生画面の右下にある縦に並んだ三つの点をクリックすると、メニューが表示されます。

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    メニューの中から「Download」を選択すると、MP3形式またはWAV形式でダウンロードできます。ダウンロードした音楽は、以下のように、様々な場面で自由に使うことができます。

    • 自作の動画やゲームのBGMに
    • SNSの投稿を盛り上げるオリジナルBGMに
    • プレゼンテーション資料に個性と彩りを加えるBGMに
    • 毎日の生活を豊かにする、リラックスできる音楽として

    世界に一つだけのあなたの音楽を、色々な場所で奏でてみましょう!

    Step 9.無料?気になる料金プランは?

    無料プランと有料プランの違いを簡単に解説します。
    無料版(ベーシックプラン)

    • 毎日5曲分のクレジットがもらえる
    • 商用利用はNG
    • 生成スピードはのんびりめ

    👉ちょっと試したい人、商用利用しない人にピッタリ!
    有料版

    • プロプラン(月額$10):毎月500曲分!商用利用もOK!
    • プレミアプラン(月額$30):毎月2,000曲分!最速スピードで生成!

    Sunoで音楽制作の新時代を体験しよう

    この記事では、音楽生成AI「Suno」の使い方を、スクリーンショットを使って具体的に解説しました。
    「自分には作曲なんて無理…」

    そう思っていた方も、Sunoを使えば、誰でも簡単に、高品質なオリジナル音楽を作ることができます。
    あなたもSunoを使って自分だけの音楽を制作してみませんか?

    この記事に「いいね!」と思ったら、いいねとフォロー、おすすめをお願いします!
    https://note.com/aicu/   X(Twitter)@AICUai

    【ぽんずさんの寄稿記事】

    Originally published at https://note.com on Aug 10, 2024.

  • Stability AI、オープンウェイトなテキスト楽曲生成「Stable Audio Open」公開。Google Colabで無料で体験!

    2024年7月22日、Stability AI が「Stable Audio Open」の研究論文をリリースしました。
    「Stable Audio Open」というタイトルで 論文プレプリントサイト arXiV に 7月19日付けで投稿された論文は、

    オープンな生成モデルはコミュニティにとって非常に重要であり、ファインチューニングを可能にし、新しいモデルを提示する際のベースラインとして役立ちます。しかし、現在のほとんどのテキスト音声生成モデルは非公開であり、アーティストや研究者がその上に構築することはできません。ここでは、クリエイティブ・コモンズのデータで学習させた新しいオープンウェイトのテキスト音声モデルのアーキテクチャと学習プロセスについて説明します。我々の評価では、このモデルの性能は様々なメトリクスにおいて最先端のものと遜色ないことが示されています。特に、報告されたFDopenl3の結果(世代のリアリズムを測定)は、44.1kHzでの高品質なステレオサウンド合成の可能性を示しています。

    https://arxiv.org/abs/2407.14358
    Translated
     by AICU

    この研究論文では、Creative Commons データを使用してトレーニングされた Stability AI の新しい”オープンウェイトなテキストオーディオ”(open-weights text-to-audio)モデルのアーキテクチャとトレーニングプロセスについて解説しています。
    このオープンなモデルは Hugging Faceで公開されています。このモデルは Stability AI Community Licenseに基づいてリリースされており、年間収益(annual revenue)が 100 万ドル以下の個人または組織による非商用および商用利用が可能です(エンタープライズ ライセンスについては問い合わせ)。

    ・このモデルは、テキスト プロンプトから 44.1kHz の高品質ステレオ オーディオを生成でき、リアルなサウンドやフィールド録音を合成するために使用可能。

    ・Stable Audio Open はコンシューマーグレードの GPU 上で実行されるため、学術目的や芸術的なユースケースに利用可能。

    アーキテクチャ

    Stable Audio Openは、3つの主要コンポーネントを備えたテキスト音声モデルを導入しています:
    ・管理可能なシーケンス長に波形を圧縮するオートエンコーダ
    ・テキスト調整のためのT5ベースのテキスト埋め込み
    ・オートエンコーダの潜在空間で動作するトランスフォーマベースの拡散モデル(DiT)。

    このモデルは44.1kHz、最大47秒の可変長ステレオ音声を生成します。オートエンコーダは21.5Hzという低い潜在レートを達成し、音楽やオーディオに対応できます。Stable Audio Openは(2024年4月3日に公開された)Stable Audio 2.0の亜種ですが、異なるデータセット(Creative Commonsデータ)で学習されています。このアーキテクチャは似ていますが、CLAPの代わりにT5テキストコンディショニングを使用しています。

    学習データ

    Stable Audio Openは、CC-0、CC-BY、またはCC-Sampling+でライセンスされた約50万件の録音を使用してトレーニングされました。このデータセットは、Freesoundの472,618件とFree Music Archive (FMA)の13,874件から構成されています。

    著作権で保護された素材が含まれていないことを確認するため、このコンテンツは、PANNs audio taggerを使用してFreesoundの音楽サンプルを特定することにより、慎重にキュレーションされました。特定されたサンプルはAudible Magicのコンテンツ検出会社に送られ、データセットから著作権で保護されている可能性のある音楽を確実に削除しました。

    ユースケース

    Stable Audio Openは、生成されるコンテンツの長さを調整したり、様々な業界やクリエイティブなプロジェクトの正確なニーズを満たすなど、音声生成をカスタマイズするために微調整することができます。ユーザーは、A6000 GPUを使ってローカルでモデルをトレーニングできます。プロンプトの作成については、Stable Audio 2.0のヒントをご覧ください。

    ここでは、このモデルをすぐに使用したり、微調整したり、ワークフローに統合したりするためのアプリケーションの例をいくつか紹介します

    🎧️ぜひとも公式サイトで音源をきいてみてください📢
    https://stability.ai/news/stable-audio-open-research-paper

    サウンドデザイン

    サウンドエフェクトとフォーリーエフェクト(音効)

    足音、ドアのきしみ音、環境音など、映画、テレビ、ビデオゲーム、ゲーム開発に使用できる効果音を生成します。

    アンビエントサウンド


    シーンのムードや雰囲気に合ったサウンドスケープや背景テクスチャを作成できます。

    サンプル作成

    音楽トラックを制作するためのドラムループと音楽サンプルを生成します。

    商用およびマーケティング用途


    オーディオブランディング

    広告用のサウンドエフェクトを作成したり、オーディオロゴやブランドサウンドを開発し、カスタムオーディオエレメントを通じてブランドの認知度やアイデンティティを高めます。

    教育と研究

    学術プロジェクト

     オーディオ合成、機械学習、音楽学の研究にこのモデルを使用し、生成されたオーディオの実験と分析を行います。

    このデモでは、より多くの例と、Stable Audio Openのパフォーマンスが他のモデルとどのように比較されるかを見ることができます。

    Google Colabでの実験

    まず Stability AI の非商用/コミュニティライセンスを取得します。

    https://stability.ai/community-license

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    続いて、 Hugging Face 上のStable Audio Open の公開ページでライセンスを取得します。

    https://huggingface.co/stabilityai/stable-audio-open-1.0

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    ご注意:商用利用の場合は、https://stability.ai/license をご参照ください。 sai@aicu.ai でもご相談をお受けいたします。

    公式サンプルをGoogle Colab環境で動作確認したAICU版のコードをこちらで公開しています。

    https://j.aicu.ai/StableAudioOpen

    次に Hugging Face のトークンを取得します。
    https://huggingface.co/settings/tokens
    Google Colabのシークレットに設定します。

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    あとは実行するだけ!長さや冒頭の空白も設定できます。

    # Set up text and timing conditioning
    conditioning = [{
        “prompt”: “128 BPM tech house drum loop”,
        “seconds_start”: 0,
        “seconds_total”: 30
    }]

    サンプルコードのデフォルトプロンプト

    output.wav として生成されているので、ダウンロードして聴いてみましょう。

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    以下は実際に生成した例です。
    “128 BPM NES, 8 bit action game BGM”

    https://note.com/api/v2/attachments/download/b514ac0f4d7a059a04bf6e632f0b73c5

    “128 BPM techno pop” 

    https://note.com/api/v2/attachments/download/7b6626ad5756ddc578dd2d64e096afcd

    “sound of the rain hitting the roof”

    https://note.com/api/v2/attachments/download/4de4c04ba8f4de31f955b71b64fb60a2

    “blackbird song in a forest”

    https://note.com/api/v2/attachments/download/6d912ec9ae69b5622d5d0e9a80a81478

    “chorus lalala…”

    https://note.com/api/v2/attachments/download/e9e21ea17beeb981eaa9cf1a70679a98

    最長生成秒数は47秒のようです。GPU消費は16GB以下です。

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    学習元が Creative Commons であるということを考えて生成するとよいのかもしれません。それにしても「何回生成しても無料」というのはすごいですね。

    まとめ

    Stable Audio Openのリリースは、オープンソースのオーディオ生成AIにおける重要な一歩になると考えます。44.1kHzで高品質のステレオサウンドを生成し、コンシューマー規模のGPUで動作し、データの透明性に重点を置いています。このモデルの使いやすさとパフォーマンスにより、研究者とアーティストの両方にとって価値あるツールとなり、オープンなオーディオAIで可能性と限界を押し広げると考えます。

    この記事がよかったら、シェアとフォローよろしくお願いいたします!

    https://note.com/aicu/m/m6000f560d1db

    Originally published at https://note.com on July 22, 2024.

  • 最先端のWeb3と音楽生成AIのプレイヤーに会う「AI Beats Lounge Vol.1」イベント参加レポート

    最先端のWeb3と音楽生成AIのプレイヤーに会う「AI Beats Lounge Vol.1」イベント参加レポート

    2024年5月20日に開催されたAI Beats Lounge Vol.1 は、音楽とAIの融合をテーマにしたイベントです。音楽制作にAIを活用するツールや世界のアーティストの考え方について最前線の事例が紹介され、参加者が実際に体験できる魅力的なプログラムが満載でした。Web3とAIと音楽の交差点には才能あふれる女性プレイヤーもたくさんいらっしゃいました。現場よりレポートをお送りします。

    https://note.com/aicu/n/n83d8cb1f774b

    「AI Beats Lounge Vol.1」イベント概要

    • 日付と時間: 2024年5月20日 (月) 18:30–22:00
    • 場所: Crypto Lounge GOX, 新宿区, 東京
    • 詳細はLuMaにて https://lu.ma/btlxtu5q

    ゲストスピーカーによる音楽生成AI活用事例

    音楽とAIの最前線で活躍するゲストスピーカーによる活用事例の紹介。

    Shinya:パーソナルコンテンツのAI動画化

    Shinya / @clabon40: 会場であるGoxLoungeの関係者。T2WEB株式会社代表、音楽AIを活用した作曲に夢中な社会人。
    実はミュージシャンでもあるそうで、娘さんの幼稚園卒業、友達の新居引っ越し祝いなど、非常に身近なパーソナルコンテンツとSunoの活用事例3連発を紹介いただきました。

    ※撮影できる内容ではなかったので残念ながら割愛します

    実はこのイベントはAICUのイベントACT3がきっかけだったそうです!

    明日はAICU Creators Talk3 (ACT3) の開催です! 登壇者紹介・申し込みはいますぐ!|AICU media

    AICU 代表の白井暁彦 (@o_ob)です 明日はAICU Creators Talk3 (ACT3) の開催です! ついに明日、製品発表会です! 登壇やパートナークリエイターの方々が揃い、タイムテーブルが更新されました。…

    note.com

    MISOSHITA:何を最終版とするかは人が決める。完成を決める感性が大事。

    @Misositaworks: テクノロジー&カルチャーを探求するクリエーター

    MISOSHITA:何を最終版とするかは人が決める。完成を決める感性が大事。

    実演:ステム分離

    MISOSHITAさんのおすすめ動画とともに、11年ぶりにメジャーアップデートされた「LogicPro」のアップデートで実装されたAI機能を解説。

    AYAME:生成AIは「音楽のコラージュ」

    AYAME / @aym2m V系バンド「摩天楼オペラ」のキーボーディスト、京都情報大学院大学客員教授

    『AIに全部残して、おかしんでいこうかなとおもいます!』

    発表17分で未発表作品の披露が…!素敵です…!

    Jun Fukunaga: 人間の創造性や作曲能力の拡張。音楽業界でAI否定する人は少ない。

    Jun Fukunaga / @LadyCitizen69: 幅広いジャンルで活動するフリーランスライター・インタビュワー

    非常に深い示唆にとんだ、世界のアーティストの声をお届けします。

    Suno AIStable Audioudio

    良い結果を得るためには経験や知識が必要。

    人間の創造性や作曲能力の拡張。

    フランスのアーティスト「ジャスティス」のインタビューが印象的。
    マルセル・デュシャンの「泉」の例なども出てきました。

    Justice (band) – Wikipedia

    Justice is a French electronic music duo consisting of Gaspard Augé and Xavier de Rosnay. Justice is known for…

    en.wikipedia.org

    LLM開発の面白さ,ゼロから頂点までを一気に学んだ! #WandB |AICU media

    AICUメディアコミュニケーション事業部のKotoneです! 今回の記事では、Fully Connected Tokyo 2023というWeights and Biases社さん(ウェイツ・アンド・バイアスィズ…

    note.com

    音楽業界でAI否定する人は少ない。
    一方で「Stop Devaluing Music」、AIによってアーティストの価値を下げる行為に対する反対も起きている。

    200+ Artists Urge Tech Platforms: Stop Devaluing Music

    Click here to join the movement!

    artistrightsnow.medium.com

    参加型AI作曲体験

    参加者から1フレーズずつ歌詞をもらい、その場でAIを使って曲を作成します。これは参加者全員が楽曲制作のプロセスをリアルタイムで体験できる貴重な機会です。

    参加者AI作曲コンテスト

    Discordにて応募し、イベント当日に優勝者を発表します。優勝者にはAmazonギフト券3,000円分が贈られます。

    お題は「九九の歌」。
    様々な作品の中から1作品が選ばれました。他の作品もすごかった!

    MISOSHITA: 第一回コンテストはこちらのYTR-334Sさんの作品が大賞に決まりました!おめでとうございます。
    選考理由としては楽曲のクオリティが高く、九九の歌の既存イメージとは大きく違う新たな世界観を提示し、キャッチーさも同時に感じられる点です。

    名前:YTR-334S「九九 一の段のうた」
    作品について:シンフォニックメロディアスメタルに。

    九九 一の段のうた by @ytr334s | Suno

    symphonic melodious metal song. Listen and make your own with Suno.

    suno.com

    YTR-334Sさん

    YTR-334Sさんの受賞の言葉:
    ありがとうございます!SUNOいじってほんの数日でしたが、リアルイベントめっさ楽しかったです!!これからもAIと仲良くしていきたいです😊

    音楽AIのクリエイターさんたちは元気な女性たちでした

    YTR-334Sさんはじめとして、多くの元気な女性が目立つコミュニティでした。これからもSunoやStable Audioの使い手がどんどん増えていきそうですね。

    撮影許可いただきました。山形のお土産も頂いちゃいました!

    【AI Beats Lounge】音楽×AI専用コミュニティDiscord

    https://discord.com/invite/bYhHwgUEQT

    X.comでの感想戦

    Suno使ってみたくなりました

    AI×音楽のイベント AI beats lounge Vol.1 ありがとうございました! 参加者は決して多く無かったですが、一人一人の熱量がありかなりディープな最前線の内容ではあったのではないでしょうか。 何でもここから始まっていくというフェーズが1番面白いですね

    イベントで話された内容物凄く簡単にまとめると ・AI楽曲のプライベートミュージック活用の可能性 ・クリエイターはAI楽曲一発生成から一歩進んで複数AIツール活用して楽曲の編集/改変を試し始めてる ・技術は置き換え可能だが、センスや感性は現状ではAIで置き換えづらくより重視される方向

    https://x.com/o_ob/status/1792558479401738448

    https://x.com/clabon40/status/1792561212489945301

    Suno

    Suno is building a future where anyone can make great music.

    suno.com

    https://www.stableaudio.com

    生成AI作家による世界に向けた動画リールを開発

    AICU Inc.のプレスリリース(2024年3月21日 07時10分)生成AI作家による世界に向けた動画リールを開発

    prtimes.jp

    Originally published at https://note.com on May 21, 2024.