前半のおさらい
前回の記事「広告制作チュートリアルで学ぶ!画像生成AIはじめの一歩 前編」では、A1111 を Colab で立ち上げて画像を生成する方法と、クオリティプロンプトと画像サイズを調整しハイクオリティな画像を生成する方法を学びました。
今回の後半では、広告として機能する画像を生成する方法や編集、モデルや LoRA を変更しもっと柔軟に画像を生成する方法について解説します。
前半+後半の内容に加え、もっと詳しい解説や画像生成の重要なポイントが学べる書籍の試し読みはこちらから!→https://j.aicu.ai/SBXL
広告に適したハイクオリティな画像を生成しよう
前回の記事では、クオリティプロンプトを使うことで画像のクオリティを大きく変えることができることを学びました。
プロンプト「1girl」
プロンプト「masterpiece, best quality, high quality, ultra detailed,1girl」
ネガティブプロンプト「worst quality, low quality, bad anatomy, bad hands」
広告写真としてのメッセージをプロンプト化
つまり広告写真としてのフォトグラファーとしてのメッセージをプロンプトとモデルとの対話で実現する経験をしてみましょう。
これに加え今回の記事では、いくつかテーマを決め、それぞれの広告として適した雰囲気の画像を生成できるプロンプトを探っていきます。
ここでは例として、
・おしゃれな高級レストラン
・飲料とドラマ
・大人の女性向けの口紅
・若い女性向けのポップな眼鏡
以上の広告表現に挑戦し、プロンプトとモデルでの表現を深掘りしてみます。
重厚感のある画像を生成する
先ほどのテーマのうち、
・おしゃれな高級レストラン
・飲料とドラマ
・大人の女性向けの口紅
このテーマの広告は大人をターゲットにした広告なので、メインビジュアルには重厚感のあるビジュアルが必要です。重厚感を演出するうえで大切な要素のひとつは、人物や被写体のライティングでしょう。まずはライティングを指定するプロンプトを指定してみます。
具体的なプロンプトの例としては、
・cinematic lighting
・professional lighting
・(天候、時間帯)lighting
が挙げられます。
「口紅の広告のメインビジュアル」を想定して、これらのプロンプトを指定したものと指定していないもので比較してみましょう。
プロンプト「masterpiece, best quality, face focus,1girl, lip, red lip, white skin」(ライティング指定なし)
ネガティブプロンプト「worst quality, best quality, nomal quality, bad anatomy, bad hands」
プロンプト「masterpiece, best quality,cinematic lighting, professional lighting, face focus,1girl, lip, red lip, white skin」
ネガティブプロンプト「worst quality, best quality, nomal quality, bad anatomy, bad hands」
モデルや全体的な雰囲気の深み、重厚感や瑞々しさが全く違うことがわかるでしょうか。
またここに「intricate composition」(直訳すると『複雑な構図』)を追加すると、さらにリアルな質感を演出することができます。これは AICU media 編集部の知山が ChatGPT にプロンプトを考えてもらっている時に発見したプロンプトなので、他には出回っていないレア情報だと思われます。皆さんぜひ試してみてください!
肌の質感が深まりましたね!
この調子で、おしゃれな高級レストラン、缶ビールもライティングを指定して生成してみましょう。またプロンプトを書くときは、クオリティプロンプト→ライティング、雰囲気→人物、被写体→背景の順に書くとバランスがとりやすいです。
高級レストラン
プロンプト「masterpiece, best quality,cinematic lighting,professional lighting, intricate composition, face focus,1girl, dinner, pink lip, dinner,wine,smiling, black formal dress,long sleeves,sophisticated restaurant」
ネガティブプロンプト「worst quality, best quality, nomal quality, bad anatomy, bad hands」
飲料とドラマ
プロンプト「masterpiece, best quality, cinematic lighting, professional lighting, intricate composition, face focus,1girl, drinking beer, can, at home, night」
ネガティブプロンプト「worst quality, best quality, normal quality, bad anatomy, bad hands」
深みのある大人っぽい画像が生成できました!
深みのある大人っぽい画像が生成できました!
口元が気に入らないときは、image to image (img2img)でインペイントします。ついでにビールではなくジュースに置き換えてみます。
「人生の酸っぱさ、味わってる?」
ポップな雰囲気を出す
次に先ほどとは一風変わって、ポップでカジュアルな雰囲気の画像を生成してみましょう。テーマは「若い女性向けの眼鏡」です。
今回は3人の女の子を生成してみます。
「cinematic lighting, intricate composition」を今回も入れつつも、様々な色の小物や髪色を指定することで、深みを出しつつもポップな色が目立つように仕上げていきます。
複雑なプロンプトになりましたが、ここまできた皆さんなら読み解けるはず!
プロンプト「masterpiece, best quality, cinematic lighting, intricate composition, looking at viewer, 2girls, kissing cheek, whispering, index finger to index finger raised, looking at another, earrings, short blonde hair, eyewear, purple beret , summer muffler, green brown contact lens, catch light on the eyes, pink lips, indigo fingernails, <BREAK>looking at viewer, earrings, indigo short bob cut, round glasses, pink beret , blue brown contact lens, catch light on the eyes, pink lips, indigo fingernails」
また「BREAK」という大文字の単語を挿入することで、それ以前のトークンというプロンプトのまとまりを打ち切ることができ、BREAK以降のプロンプトが反映されやすくなります。詳しくは2024年3月に発売開始している書籍「画像生成 AI Stable Diffusion スタートガイド」で学ぶことができます。レベルアップしたい方は要チェックです!
また今回の記事ではイアウト要素については扱いませんでしたが、領域分割については「Regional Prompter」などを使うとよいでしょう。
https://corp.aicu.ai/ja/regional-prompter
画像を編集し、広告にしよう
ここまで画像が生成できたら、あとは文字を挿入して広告にすれば完成です!
Photoshop などの画像編集ツールで画像の位置などを調節したり、文字を配置したりしてみましょう。
画像生成AIを使って、広告をつくることができました!
趣味や仕事での掲示物、実際の広告の案出しなど、様々な場面で応用し、周りと差をつけてみてはいかがでしょうか。
まとめ
以上、GPUなしでもできる画像生成AI Stable Diffusion 「AUTOMATIC1111 WebUI」のはじめかたについて紹介しました。
より深めていきたい方々には3月29日に発売されたばかりの書籍「画像生成AI Stable Diffusion スタートガイド」がおすすめです。今回の記事で解説しきれなかったモデルの変更や LoRA、様々なパラメータの解説や微調整が可能になる書籍です。ぜひ試し読みしてみてください!https://j.aicu.ai/SBXL
img2imgの解説記事はこちら
ControlNetの解説記事はこちら!
最新情報はAICU Inc. のX(Twitter)@AICUai をご参照ください。次回をお楽しみに
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